2009年02月13日

141号-2009.2.25 part2

「労働者は嫌ならいつでも辞められるが、経営陣は例え赤字になっても基本的に解雇できない」
「タイムカードを打刻した以上、業務に従事しているので残業代を支払う義務がある」
「雇用した以上、たとえ要求レベルに耐えられなくても、基本的に解雇できない」等々だ。
労働者の権利は否定しないが、職務専念義務、成果実現義務も汲んで欲しいものだ。法的には成果は賞与で考慮せよ、ということであろうが、毎月の経費と成果を胃が痛いほど考えなくてはいけない中小企業経営者にはやるせないという事も是非理解してほしいものだ。
故P・ドラッカーも言っている「報酬は貢献に対して与えられるべきである。単なる努力は賞賛の的に過ぎない」と・・・。何時のころからか、労働者の解雇はすべて雇用者の責任になり、経営者の無能さの現れになった。家族関係にも「勘当」があるのに、労使関係だけは「勘当に当たる解雇」に制限がある。「雇ったら最後まで面倒を見ろ」となる。経営者の破産よりフリーターの解雇をセンセーショナルに取り上げる。世界的にも異常なほどの発行部数を誇る大手新聞社は、どうしても部数を伸ばす為に多数を占める「その時代の読者層」に迎合しやすい。テレビのコメンテーターや自称知識人も「お茶の間の正義」「弱者の救世主」をシタリ顔で振りかざす。
本質的な問題の究明より「その事実」を取り上げ、視聴者も感覚的情緒的に事の可否を判断する。

ともあれ、今回第一次面接通過者8名の内、第二次面接を実施し、5名の内定者を決定し下期の人事体制を作るつもりでいた。最終的に当社に入社したのは2名で3名は他社に流れた。

決して裕福ではない財源を元に費用を捻出し、面接を担当する5人の延べ人件費を考えたら、複雑な思いがした。中でも内2名は入社辞退の連絡もないし、携帯にも出ない応募者だった。しかし電話一本もないのは残念だが、それが最終面接に残こり、内定を出したことは間違っていなかった事になる。優秀な人材はドコでも欲しいし同じ判断をするからだ。採用には2つのミスがある。それは採るべきでない人を採ってしまうミスと、採るべき人を採らないミスである。それを通過しても「自己都合」による退職があり、そこまでは読めない。

こんな逸話もある。東大卒でもある作家の半藤一利氏の文芸春秋に入社したときの採用基準は、「@まず秀才を採る、A次にジャーナリストとしての感覚がある人、Bそれからバカか利口か分からないが、何か大きなことをやりそうなボンクラを採る」だったらしい。半藤氏はボンクラだということで採用された。

早食い競争や独創的な組み立て課題を与えて採用基準にし、成功しているベンチャー企業もある。
アメリカのAT&Tによる管理職候補420人の能力成長記録によると、入社初期から昇進意欲の高かった人は8年後も「関心の幅が広く野心もあり」得点も高かった。反対に家庭に心を向けすぎた人は、それが昇進にとってはマイナスになることも分かっている。あの米国でさえ「事なかれ主義が蔓延し賢い若者が多いと組織は沈滞する」とも指摘している。

田島弓子氏の書籍にもあるように、氏は元マイクロソフト日本法人の営業部長、東大を出ているわけでもなく、MBAを持っているわけでもない。それなのに出世できたのは、「仕事が好きだったわけでもない。与えられた目の前の仕事を、自分の力で楽しいものに変え、それに全力投球した」からだという。具体的には「自分の目線ではなく目標の目線で」「学ぶべきことはすべて現場に」「仕事があるだけで有難い」などと意識することで、目の前の仕事を前向きに捉えたのである。それらから言えることは、定番な質問である「意欲があるか、向上心を持っているか」ということになる。

しかし、1回20〜30分の面接を数回実施しても中々把握出来ない。昨年のリクルートの採用試験では通常の筆記試験合格者に、面接を6回したそうだ。しかも、上記の2点を応答毎に、何故を毎回も聞き確認するそうだ。それでも入社3年目での退職は30%位らしい。

当社では様々な痛い経験を元にインターンシップに力を入れている。これは10日間位共に業務をするので人物判断に狂いが少ないが、対象が3年生ということで就職までの期間繋ぎ留める気苦労がある。いい人材はドコでもほしい、でも育てることも迂遠かもしれないが、やらなくてはいけない事を採用試験のたびに痛感する。
 
社長 三戸部啓之

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posted by 株式会社アーバン企画開発 at 13:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 2009年 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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