2009年01月08日

140号-2009.1.25 part1

大手賃料保証会社「リプラスの破産」に思う。
彼の会社は賃料保証業界ではかって「超優良企業」といわれていた東証マザーズ上場会社である。取り扱いも年間50万件と全国一多く、不動産管理会社や仲介会社がこぞって代理店になっていた。その主力商品名である「レントゴー」は先行する他社の商品群とは異なり、「倒産回避のSPC:特別目的会社」を組み込んだ画期的なものだった。地方公共団体が積極的に進める高齢者、外国人等を対象にした「安心サポート制度」にも保証会社として名を連ねていた。その画期的なビジネスモデルが、設立後たった6年で全国を制覇したことになった。それだけではない、この業界では珍しく、商品構成にマーケティングを取り入れていた。
管理会社の管理戸数に応じた商品を提供し差別化を図っていた。管理戸数500戸以下の管理会社には滞納保証だけの商品、管理戸数1,000戸〜管理会社には、賃料督促や事務部門の人件費負担の軽減を図る集金代行と滞納保証を組み合わせた「画期的商品」を推進していた。その為、管理会社としてはその余力を他社の管理替えや固定費の削減に向けられるというメリットがあった。
特に警策だったのは、既存物件の管理替えに効果を発揮したことだ。オーナーが自主管理している「既存の賃貸物件の中に滞納者がいてもそのまま賃料を保証する」商品のため、管理会社としては一気に既存賃貸管理市場を制覇できる戦略商品として位置づけられた。
オーナーの悩みと管理会社の管理戸数を伸ばすという点で一挙両得、今流行のWIN・WINの関係になる。これで首都圏のある中堅管理業者は一気に管理戸数を伸ばしたと聞いている。
しかも競業他社にはない「上場会社」のブランドは、入居者やオーナーへの説明にも有利であったし、事実それを前面に出した管理会社は管理戸数を大幅に伸ばしたところも多かった。
特に「建築会社系のS社、O社、H社」はその管理戸数の伸びが驚異的だったし、新築物件の管理戸数シェアーは圧倒的だった。ある有名コンサルティングF社のセミナーでの分析も、このシェアー伸長率から「中小管理会社は淘汰される」との危機感をあおっていたし、社内でも真剣に対応策を練っていた。よく彼の会社の担当責任者に「数年で国内の賃貸保証市場は貴社に席巻されますね」と話した記憶がある。その後、不動産ファンドの設立で都内の優良不動産物件の取得、北京オリンピックを視野に入れた中国への進出、上海の不動産リート物件の取得、有名ソフト会社のM&A等躍進は目を見張るものがあったし、一躍賃貸業界の寵児だった。「好事魔多し」とはよく言ったものだ。しかも「秋の日のつるべ落とし」の形容のように、第3者割当増資から3ヶ月で破産を迎えたわけだ。
大仰に言えば、全国の管理会社が「まさか!」とパニックになった。噂によるとある管理会社は滞納賃料7000万が一瞬に消えたといわれている。特に先の既存管理物件を滞納保証して管理取得した管理会社は、その滞納者をそのまま引き継ぎ滞納家賃の代位弁済は巨額になってしまったという。そして最悪なのは、破産後の口座を閉鎖していなかった為、破産を知らない入居者からの滞納賃料や保証料がしばらく入金されてしまったことである。勿論これは後日、破産管財人から返還されるものだが、管理会社はそれまで立て替えなければならないし、期間も半年以上先になる。破産管財人側の事務手続きの混乱を見て悪質な入居者は,賃料の支払いを主張した。50万件の調査が不可能であることを見越してのものだ。管理業界ではこの後遺症は最低1年続くのではないだろうか。

アパート・マンション・店舗・事務所 不動産のことならアーバン企画開発で!
posted by 株式会社アーバン企画開発 at 11:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 2009年 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/112313068
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック