「君が個人で恥をいくらかいてもかまわないが、その結果会社で恥をかきたくない」
いつも口をすっぱくして社内で言っている言葉だ。
ビジネス文書の書き方、敬語の使い方、挨拶の仕方、電話のかけ方、接客態度、持ち物、業務知識、仕事の組み立て方、慣習など幅広い。いわゆるビジネス上の「常識」というやつだ。
これがないと困るのは、人は「外見」で99%判断するからだ。不利なハンデは初めから持つ必要がない。しかし、この当たり前の事が新人、中堅を問わず起こる。
言うまでもなく会社は、法人という組織体で動いている。実際にはそれぞれの社員(個人)が活動しているが、個人の顔と会社の顔の2面性を持つ。だが、この簡単な事実が曖昧になる事が多い。
社員の行動は全て「会社が責任を負う」事を忘れてしまう。
個人や法人先を頻繁に訪問していると、どうしても親しくなり、ビジネス以外の個人的な話も多くなる。仕事上の悩みや将来にわたる話も出てくる。そこに甘えや隙が出てくる。
普通なら気を使うのに使わなかったり、はじめての顧客なら話さないような話をしたり、言葉も横柄になる。本人は自覚していないが、周りから見ると首をかしげることになる。
「こんなに親しいし、ゴルフや飲み屋にも何回も行っている」のだから、「このくらいは許してくれるだろう」という甘えだ。しかし、トラブルやクレームは、必ず個人ではなく会社に来るのだ。それもかなり厳しく「あの担当者は図々しいから替えてくれ」「肝心なことを中々やらないし、ミスも多い」となるのは、未だしも対応が出来るが、最悪の場合突然取引停止にもなる。ナンテことはない、本来シビアーなビジネス上の付き合いなのに全て担当者の錯覚や甘えに過ぎないのだ。特にその誤解は若い社員に起こる、少し実績が出てきた社員にも起こる。勿論、親しさは対人関係の重要な「架け橋」だし、相手の懐に入れないようでは、話は進まない。顧客に好感を持たなければ、顧客からも好感を持たれない。
ただ、それは話の潤滑油に過ぎないのだ。血を分けた親族でも「勘当」がある以上、他人なら尚更だ。
我々は顧客に提案力を売っている、交渉力、仲介力を売っているのだ。
顧客も他社にないその提案力、交渉力、仲介力を買っているのだ。
それを忘れてはいけない。銀幕のスターの様な夢やトキメキを求めているのではない。
貴方に癒しを求めているのでもない、暇つぶしの相手を期待しているのでもない。
新鮮な情報、新しい知識や業界動向を期待しているのだ。それも教科書や本に書いてある他人の言葉ではなく、あなた自身が咀嚼した言葉での説明を求めているのだ。
相手の貴重な時間をいただいているのだ。それに見合う反対給付を与えなくてはいけない。
だからこそ貴方は、その顧客が付き合っている業者よりも、知識や情報力、行動力が優れていなければならないのだ。だから寸暇を惜しんで勉強しなければならないし、「聞いて為になった」と言われなければならない。サラリーマンは決して気楽な家業ではないのだ。一生学び続けなくてはいけないのだ。
大学ブランドも学歴も関係がない、当社にも「かって優秀だった人」がいたが、多分卒業と同時に燃え尽きたのだろう。化石みたいな人もいた。空虚なプライドで誤魔化していた人もいた。
でも長くは続かなかった。決断を出さず、消極的になることが「ボロ」を出さないとばかり、他人の後追いばかりする社員も同類だ。それも火の粉がかからない安全な距離を置いているのでミスも少ない。
でも顧客からは絶対に評価はされない。
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2008年12月09日
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